犬の食物アレルギー 症状と対策

花粉症、アトピーなど多くの人が抱えるアレルギー疾患ですが、これは人間だけの病気ではありません。犬だってアレルギーになるんです。症状が出たら辛いのはワンちゃんも同じ。それを見ている飼い主も、もちろん辛いですよね。

アレルギーの原因にはいくつかありますが、ここでは食事によって発症する『食物アレルギー』について、その原因と対処法を詳しく紹介します。

食物アレルギーとは

人や犬など動物の体には、有害な異物の侵入を防ぐための“免疫システム”が備わっていて、異物を攻撃したり除去したりして体を守っています。

ところが、本来なら無害なはずの異物を有害と判断し、免疫システムが反応してしまうことがあります。これが『アレルギー反応』です。

アレルギーのもとになる物質“アレルゲン”には、食物や花粉、ノミ、ハウスダストなどがありますが、このうち、食べ物に含まれる“たんぱく質”に起因するものを『食物アレルギー』と言います。

一般に、アレルギー反応は摂取機会が多いほど症状が出やすくなるといわれており、実際の調査でも、犬にアレルギー反応を引き起こしやすい食材は、「牛肉 (34%)」、「乳製品(17%)」、「鶏肉(15%)」、「小麦(13%)」、「大豆(6%)」の順となっています(2015年、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学:ドイツ)。
これらはドッグフードの原料としてポピュラーなものですから、摂取量と関連しているというのも納得ですね。

また、ペットフード会社のペットライン㈱によると、約40%の犬が食物アレルギーやその可能性があるということです。
別の調査では、アトピー性皮膚炎の犬の半数は、食物アレルギーも併発していると言われています。
犬にとっても愛犬家にとっても深刻な問題ですね。

食物アレルギーの症状

ドッグフードは犬に必要な栄養素をバランスよく配合した食品です。しかし、犬の個体によっては食物アレルギーの原因となる可能性もあります。

発症には遺伝的・環境的な要因が関係するため、同じドッグフードで育てても発症しない犬もいますから、エサに対して必要以上に神経質になる必要はありません。

でも、常に犬の健康に気を配っておくことは、とても大切です。
食物アレルギーの症状が出やすい部分は、目や口の周囲、耳、背中、足の裏です。これらの部位を中心に、次の症状がないかチェックしてみましょう。

  • 体をかゆがり、フケや抜け毛が多い(ハゲができる)
  • 下痢や嘔吐をする
  • 顔や股の内側などが赤くなっている
  • 足の裏や指の間などを頻繁に舐めたり噛んだりする

アレルギーによってこれらの症状が続くと、犬が掻いて皮膚に傷が付き、炎症が起きてどんどん悪化してしまいます。気をつけてあげましょう。

食物アレルギーに関しては、1歳頃までに発症することが多いようです。糞便回数が1日3回以上、毎日続くようならば、上記の症状が出ていないか犬の体を調べてみると良いでしょう。
早めに対応すれば症状も軽く済みますよ。まずは獣医師に相談しましょう。

検査

動物病院に行くと、まず、検査を勧められます。
食物アレルギーの症状は、原因となる物質を犬に与えなければ治まりますから、その物質を特定することが検査の目的です。

食物アレルギーが考えられる場合の検査は、主に次の2つです。

血液検査

以前は難しかったのですが、血液検査を行うことで、どの物質に反応してアレルギーを起こしているのか、特定できるようになりました。
原因物質の特定によって、どの食材を使わなければ良いかが明らかになるので、対策も容易です。
しかし、検査費用が高く、3万~7万円くらいが相場と言われています。

除去食試験

疑われる食材を抜いて、アレルギー症状が治まるかを確認するものです。

犬の体が反応するのは食材の中のたんぱく質なので、これを体が反応しないくらい分解したものや、別の食材(魚やカンガルーなど)に置き換えたエサに変えてみます。
こういったドッグフードは市販品もありますが、獣医師の指導のもとに試験を行う場合は指定品(処方食)を購入するケースが多いようです。

この除去食だけを1~2か月与えた結果、症状が消えれば食物アレルギーと診断されます。治癒しないまでも改善が見られる場合は、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の混合型、変わらなければアトピーの可能性が高くなります。

費用は血液検査よりも安価ですが、長期間にわたる点と、検査期間中、処方食以外は与えられないというデメリットがあります。
家族の協力と理解が必要ですね。

対策

検査の結果、食物アレルギーとわかったら、アレルギー物質を取り除いたドッグフードだけを与えるようにしましょう。

市販品でも“アレルギー対応ドッグフード”はたくさん売られています。これらの多くは、小麦、子羊(ラム)肉、鶏卵、鶏肉、乳製品などを使用しないで作られています。
中には必要なたんぱく質を補うために大豆を使用していることがありますが、これに反応する犬もいるので、アレルギーを持っている場合は原材料表示をよく確認しましょう。

最近は食物アレルギーの犬も増えているため、除去食も様々なタイプが売られています。
愛犬の好みによって、生・半生・ドライや味などを選んであげるといいですね。

また、添加物にも注意を払いましょう。
アレルギーを起こしている犬は、化学物質にも過敏に反応する可能性があります。特に防腐剤には注意してあげましょう。
防腐剤無添加は安心な反面、品質の低下が速くなるので、小容量や小分けタイプを選ぶのがおすすめですよ。

もちろん、おやつも原材料に注意して、アレルギー対応品を選んでくださいね!

アレルギーは除去食によって改善しますが、完治するとは限りません。場合によっては食物アレルギーと一生付き合っていかなければならない可能性もあります。
飼い主と愛犬の二人三脚で乗り切っていきましょう。

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