犬の食事としつけ

毎日欠かせない愛犬の食事。
健康を左右するだけに、気を使っている飼い主も多いと思います。

でも、食事には愛犬との絆を深めるといった大事な側面もあります。健康に良いものを与えるだけでなく、しつけを通して良好な信頼関係を作ることもできるんです。

ここでは、犬の食事に関する“しつけ”について、その意義や具体的な方法を紹介しています。

食事のしつけの必要性と意義

食事は命に関わる重要なものです。それは野生動物だけでなく、私たち人間も、ペットの犬も同様です。

ですから、食事に関する要素は本能に直結しているといってよいでしょう。そして、これは犬ならではの“順位”という本能にも関係しています。

つまり、自分の命を支える食べ物を“誰が”“どのように”与えるかで、犬は飼われている家庭内での自分の地位(順位)を理解するのです。

ですから、食事のしつけができていない犬は、本当の意味で飼い主との信頼関係ができているとは言えません。
人間が食べている物を欲しがって手を出したり、吠えたりする犬は、いずれ人の食事を横取りしたり、飼い主の言うことを聞かなくなったりします(これについては後述します)。

もちろん、人間の食べ物には犬にとって良くないものもありますし、欲しいものを食べても良いと勘違いすると、散歩中に“拾い食い”をして思わぬトラブルになることもあります。

このように、食事のしつけには「犬に飼い主との主従関係を理解させる」「犬の健康を守る」といった大きな意義があるのです。

しつけの方法

それでは具体的な食事のしつけ方を見てみましょう。

子犬のうちからしつけを始めるのが理想ですが、成犬になってからでもOKです。
食事のしつけは、「しつけ」と「ご褒美(食事)」が連動しているので、犬も理解しやすいからです。諦めずに取り組んでくださいね。

  1. まず、首輪にリードをつけて犬を柱などに短めにつなぎ、固定します。
  2. 次に、「マテ」と言いながら、犬がギリギリ届かないところにエサを入れた食器を置きます。犬は食べようと動きますが、時々「マテ」と声を掛けて見守ります。
  3. 届かないことを犬が理解すると、どうすれば良いかわからなくなって飼い主を見ます(アイコンタクト)。
  4. アイコンタクトができたら、「ヨシ」と言いながらエサを与えます。褒めることも忘れないでください。
  5. 食事のたびに1~4を繰り返します。

これは、“許可なく食べようとすると不快(首輪が締まる)になる”ことで、“飼い主(リーダー)の許可がなければ食べられない”ことを理解させる方法です。

同時に、“アイコンタクトをとる”=“飼い主の指示を仰ぐ”方が、簡単に目的を達成できる(食事ができる)ことも学べます。これは主従関係の基本ですから、しつけの王道ともいえるでしょう。

できるようになったら、食事中に犬から食器を離し、「オアズケ」を覚えさせます。これにより、“食べる”という本能的な行動を制御できるようになり、飼い主との信頼関係がより強固となります。できたらしっかりと褒めてあげましょう。

中には、なかなか覚えられない犬もいます。
犬の集中力は10分程度ですから、集中力が切れてきたら犬とアイコンタクトをとり、「ヨシ」と言ってエサを与えてしまいましょう。
次の食事の時に、①から始めてください。

絶対にしてはいけないこと

愛犬と飼い主の良い関係を保つためには、いくつかのルールがあります。これを破ると主従関係が崩れ、冒頭で述べたように犬がいうことを聞かなくなります。

中でも『人が食事しているものを与える』のは厳禁です。

良いにおいがしてくれば、犬が欲しがるのも無理はありません。
しかし、子供が大人の食事を欲しがるのとはワケが違うことを理解しましょう。

犬が人間の食事を欲しがって、それを分け与えるということは、犬がその群れ(家族)のリーダーであることを認める行為になってしまいます。

人間からみれば“分けてあげる”という慈悲の好意も、犬から見れば“順位の下の者が上の者に献上する”というように捉えられるのです。
ましてや、欲しがって吠えている犬に食事を分け与えることは、犬と主従関係が逆転することになります。犬に“飼い主が屈服した”と勘違いさせるようなものです。

ですから、人間が食べているものを犬にあげてはいけません。
できれば、人間が食事をし終わってから、犬の食事を与えましょう。同じ時間に食べると同列順位だと勘違いする犬がいるからです。

また、人の食事中に欲しがったり吠えたりしたら、必ず叱りましょう。テーブルを大きく叩いて大きな音を出したり、「コラッ」と大声を出したりして、犬に罰を与えてください。

このように人の食事を与えないことは、犬の健康にもメリットがあります。

人間用の味付けは犬にとっては濃すぎるからです。また、濃い味付けに慣れてしまうとドッグフードを食べなくなる可能性があります。犬の主食はドッグフードがいちばんですから、健康のためにも注意してください。

中には、犬にとって有害な食品(タマネギ、長ネギ、ニンニク、香辛料、ブドウなど)もあります。人間の感覚で「おいしいから」と犬に与えるのは止めましょう。

もちろん、人が食べる食品で、犬もOKなものもあります。それを与えたいときは、人の食事中に分け与えるのではなく、犬の食事の時間に犬用の食器に入れて与えてください。もちろん、味付けは不要です。

犬の特性を正しく理解し、信頼関係を築くためにも、食事に関するしつけが重要だということがわかっていただけたと思います。
時には、犬にすぐ食事を与えなかったり、欲しがるものを我慢させたりすることを「かわいそう」と感じることもあると思います。そういうときは、犬にとって本当の幸せや健康が何なのか、もう一度考えてみてくださいね。

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